2009-10-29

過剰供給の調整

いわゆる資産家に関連する金融関係の方たちとお話をしていると、富裕層は持っている資産の目減りが3月に底入れを迎え、それ以後は為替と現物資産投資でかなりの利益を上げたのだそうだ。
ここ半年間の日経平均株価や為替・金価格の動きを見ていると、納得できてしまう。
でも、近くに目を向けると、地方の景気の悪さは相変わらずの状態で、過去に起きた「3つの過剰」が再度登場した感じだ。

日本を苦しめていた「3つの過剰」とは?
http://r25.jp/b/honshi/a/ranking_review_details/id/110000001055
「3つの過剰」と中小企業 ー中小企業白書2005年
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1130000.html

こうなると、過剰である部分をなくすことが需給バランスの復活であることはわかっているけれど、「それはリストラだからなぁ」と漠たる不安感と共にクライアント全体の動向を考えていた。

今日(2009年10月29日)の朝日新聞の朝刊に「経済気象台 問題は水準なのだ!」が掲載され、ちょうど考えていたことが記事になっていたので備忘録として引用しておく。
http://www.asahi.com/business/topics/column/TKY200910280418.html
 国内景気が回復しつつあるという。足下で生産は上向いており、実質GDPは年率2~3%で成長している。成長率でみれば、すでに日本経済は危機を脱したようにみえる。

 しかし、経済活動の水準は、回復というには程遠い。危機前のピークと比べると、生産活動は8割、実質GDPは9割の水準にとどまる。景気が現在のペースで回復を続けても、危機前に戻るには何年もかかる。日本経済は、今後しばらくの間、過剰供給力を抱え続けることになる。

 その間、日本経済には何が起きるのか。設備能力を適正水準まで削減するため、企業は新規設備投資を大幅に削減するだろう。雇用や賃金はさらに抑制されるに違いない。過剰供給力の削減はまた、事業の絞り込みや企業再編、競争力を失った企業の市場からの退出、すなわち経営破綻(はたん)を不可避のものとするだろう。ちなみに、90年代後半以降のいわゆる「三つの過剰」調整期においては、約1割の企業が消えていった。その過程で金融機関が抱える不良債権が再び拡大し、金融システムに大きな負荷が加わる可能性も大きい。

 つまり、最悪期を過ぎていったん回復しかけた日本経済に、再びしつこい景気停滞圧力が加わるということである。その中で海外景気の回復ペースが鈍ったり、景気対策の効果が薄れたりすれば、国内景気は容易に二番底に陥るだろう。日本経済の基盤はそれだけ脆弱(ぜいじゃく)だということである。つまり、成長率ではなく水準からみれば、日本経済は今なお危機のまっただ中にいるのだ。

 英国の中央銀行のキング総裁は、「問題は成長率ではない、水準なのだ!」と述べたという。新政権の経済閣僚にかみ締めてほしい言葉だ。(山人)

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